行政書士

知らなきゃ損する相続手続

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相続手続をしないとどうなるの?

一昔前は、「相続なんてお金持ちが気にする事でしょ。」と仰る方も多かったのですが、最近は相続に対する意識も高まって来ておりまして、自分の相続分や相続税についてしっかりと勉強されている方も増えてきているように思います。

確かに、たくさん資産を持っていなければ相続税はかかりませんが、多くの場合、預貯金、不動産、株式などの名義変更や保険金の解約などの手続は必要になります。

また、各種の変更手続につきましては、ご自身でされる方もいらっしゃいます。しかし不動産の名義変更につきましては専門的な書類を作成する必要があり、自分で行うには中々ハードルが高いです。また期限も決められていないため先延ばしにしてしまいがちです。ただし、そのままにしておくと困ることも出てきます。

相続登記をしないと発生するトラブル例

相続関係が複雑になり、名義変更が難しくなるケース

ご相談を頂く中でも、二代、三代前の名義人の不動産が出てくることは少なくありません。その場合、当時の相続人はもうすでに亡くなっていて、お子さんやお孫さんに権利が移っている事がほとんどです。

不動産の名義変更をする場合には、相続人全員に署名や実印による押印、印鑑証明書の添付が求められます。普段から親戚付き合いが続いていればさほど問題ないのかもしれませんが、疎遠となっている場合も多く、連絡が取りづらかったり、中には認知症で判断能力が低下している方や、行方が分からない相続人が出てくるなど一筋縄ではいかないケースがあります。

また、この場合、名義人との関係を証明するために必要になる戸籍等の証明書を収集する手間や費用が多くかかったり、名義人が何十人と増えてしまう事もありますので注意が必要です。

不動産を売却したり、担保にできないケース

相続した不動産を売却したり、リフォームや修繕をするために銀行から借り入れをする場合には、不動産の名義変更を済ませておく必要があります。不動産の名義変更には時間もかかりますので、実際に不動産を買いたいと提案があったときや、ローンをいざ組もうと思ったときに直ぐに手続に入れないと、タイミングを逃してしまうということにならないように気をつけましょう。

差し押さえられてしまうことも

相続人のどなたかが借金をしていたり、税金を滞納していた場合、資産が差し押さえられてしまうことがあります。その際、相続登記をしておかないと、その不動産についても差し押さえの対象となる可能性があります。不動産は遺産分割協議が終わるまでは、相続人全員が共有している状態ですので、債権者は法定相続分を差し押さえることが出来てしまいます。

・不動産の相続登記は罰則がなく、期限もない。
・ただし、放置すると長期的にはデメリットが大きい。